俺様王子様
「きっと、わたしたちの分からないような苦しみや悩みもたくさんあるかもしれないけど、未月なら大丈夫だよ!…どうか幸せになってわたしたちをびっくりさせてください。これからのあなたの成功をわたしたちクラスメイトは祈っています」

そう言って未月を見て微笑んだ。
あたしはぺこりとお辞儀をして列に戻った。
そこからは悲しくて、何も出来ない自分が腹立たしくて、下を向いてしまった。

みんなはお別れの挨拶に拍手をしてくれたけど、未月はどんな顔をしてるんだろう。
あたしの様子に気付いたクラスメイトが背中を撫でてくれた。

「桜村さん、頑張りましたね」

こそっと声を掛けてくれる子もいた。
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