俺様王子様
神藤さんは呆気に取られているのか、目をまん丸くさせているだけだった。
「好きな女と一緒にいられねぇなんて、なんの意味もねーよ」
未月はお父様を見て静かにそう呟いた。
「み、未月?」
「朱莉といると、普通の人間でいられる。周りの顔色伺って、みんなが求める町屋未月なんて演じなくても普通の俺でいられるんだよ」
未月のその言葉に胸が苦しくなる。
王子様やってたのも、優等生なのも、立派な家に生まれてきたからで、小さな頃からそんなプレッシャーの中で生きてきたんだと感じた。
「さっきみたいな言い合いだって、俺が相手だと誰もしてくれない。みんな俺に気を遣いながら接してくる。…だけど朱莉は違う。いつも真正面から俺にぶつかってきてくれるから」
「…そんな。未月は未月じゃん」
「でもこの学園にきて、朱莉もなんとなくわかっただろ?」
なんとなくどころかだいぶ気づいていたから、言葉に詰まった。
「好きな女と一緒にいられねぇなんて、なんの意味もねーよ」
未月はお父様を見て静かにそう呟いた。
「み、未月?」
「朱莉といると、普通の人間でいられる。周りの顔色伺って、みんなが求める町屋未月なんて演じなくても普通の俺でいられるんだよ」
未月のその言葉に胸が苦しくなる。
王子様やってたのも、優等生なのも、立派な家に生まれてきたからで、小さな頃からそんなプレッシャーの中で生きてきたんだと感じた。
「さっきみたいな言い合いだって、俺が相手だと誰もしてくれない。みんな俺に気を遣いながら接してくる。…だけど朱莉は違う。いつも真正面から俺にぶつかってきてくれるから」
「…そんな。未月は未月じゃん」
「でもこの学園にきて、朱莉もなんとなくわかっただろ?」
なんとなくどころかだいぶ気づいていたから、言葉に詰まった。