俺様王子様
「俺が俺らしくいられねーなら家柄なんて捨ててやる。町屋の名前なんてどうでもいいよ」

お父様はそんな未月を真っ直ぐ見つめていた。

「朱莉。今まで悪かったな。だけど、そんな他人ごとみたいに幸せになってくれなんて言うなよ」

「だって…」

「朱莉が好きだ。もう絶対離さない」

そう言って未月はあたしの手を取ると、走り出した。
そんなあたしたちの後ろで他の生徒たちが騒ぐのが聞こえた。
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