俺様王子様
それから、何回か他のクラスの男の子に呼び出されて告られた。


「それは、俗に言うモテ期ってやつですわね」

中庭で杏菜ちゃんとおしゃべりしているとそう言われた。

「あたし、ずっと女子校だったからそんなのわかんないよ〜」

「確かに、委員会でも朱莉ちゃんのこと聞かれたりしますわ」

「えー!恥ずかしい」

「未月様は何にもおっしゃらないの?」

「…うん。だって本当のカレカノじゃないもん!あたしになんて興味ないよ、きっと」

最初からわかっていたはずなのに、改めて自分で口に出したら何だか胸がズキンと痛かった。



寮に戻って、杏菜ちゃんに勧められて買った学園のカフェのスコーンを食べながらボーッとしていた。


「…い!おい!」

未月に呼ばれてハッとする。

「え、何?」

「人の話シカトするなんていい根性してんな」

「何様よ。で、なに?」

「それ、ひとくちよこせって言ってんだけど」

「あ、はい」

あたしはスコーンを未月に差し出した。
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