俺様王子様
未月はそのままキスをした。
未月の唇の感触で身体がしびれる。
スコーンの甘さとそれでクラクラする。

「甘いな、これ」

唇を離して未月が言った。
あたしはソファーに倒れ込みそうになる。

「てゆーか、何あれ」

「何のこと?」

「朱莉ってさ、三咲と仲いいの?」

「全然!今日初めて話した」

「ふーん…」

「あ、でも黒板消すの手伝ってくれたんだー!あたしの届かないところも軽々届いててすごかったんだから。やっぱりバスケ部はでっかいよねー」

そう言ったのに、未月は何にも言わなかった。

「あ!それ手が小さくてかわいいって言われちゃった!」

とあたしはシャンデリアに向かって手を伸ばした。
思い出すとやっぱりにやけてしまう。
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