俺様王子様
「ん…」

目を覚ますとあたしは未月後ろから抱きかかえられる形で寝ていた。
首筋に未月の寝息がかかってピクッとしてしまう。

(そっか、昨日一緒に勉強したまま寝ちゃったんだ…)

まだ寝起きでボーッとしている中、ぼんやり夕べのことを思い出していた。

(てゆーか、体‼︎くっつきすぎ‼︎)

背中越しに伝わる未月の体温がやけに生々しくてそれがあたしをドキドキさせた。
そーっと未月の腕を解いてベッドから出ようとした。

「…何逃げようとしてんの?」

「別にそんなんじゃ…‼︎」

「じゃ、いいじゃんこのままで」

「だって体…近いし」

「朱莉ドキドキしてんね」

「そりゃそうだよ!こんなの初めてだもん‼︎」

未月はあたしが、未月のちょっとしたことでいちいちドキドキしてるなんてきっと知らないだろう。
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