俺様王子様
「そっ、そういう未月こそ何なのよ!俺のモノだとか言うけど‼︎」

「だってそうじゃん」

「あたし、うんって言った?」

「言ってないけど」

「でしょ⁉︎それなのになによそれ」

「朱莉は嫌なの?」

嫌とかそう言う問題じゃないと未月に言おうと振り返ったら、そんなこと言えなくなった。
だって、未月が真っ直ぐな瞳であたしを見ていたから。

「ね、嫌?」

「そっ、そういうんじゃ…」

あたしは未月の視線から逃げるように横を向いた。

「じゃあ何?俺の顔見てちゃんと言ってよ」

「………ずるいよ、未月は」

「はっ⁉︎なんでだよ」

「…ずるいからずるいの‼︎」

「意味わかんねー…」

(あたし、きっと今顔真っ赤だ…)

そう思ったけど、未月の方に顔を向けた。
< 41 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop