俺様王子様
「ベッドもふかふかー!いいのかな?こんな素敵な部屋!」

思わずテンションが上がる。

「ちなみに、バスルームは向こうな」

後ろから聞こえる声にハッとする。
そうだ、あたしはこいつと一緒に3年間過ごすのだ。

「どこの部屋にもバスルームついてるの?」

「んなわけねーだろ。この部屋は特別なんだよ」

「あんたのためにあるようなもんじゃない。あたしもみんなと同じ部屋に戻してよ」

あたしはそう言った。

「あんたじゃなくて未月」

「は?」

「名前!あんたじゃなくて未月って呼べよ」

「呼べよって何よ!いきなりそんなこと言われても呼べないよっ」

「いちいち口答えするんだな、朱莉は」

名前を呼び捨てにされてドキッとする。
未月の真っ直ぐな視線があたしを捕らえて離さない。

次の瞬間、未月の唇があたしの唇に重なった。
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