俺様王子様
「ちょっと!何ひとりで怒ってんの⁉︎」

寮への道のりをぐんぐん進んでいく未月。
さっきの囁きで未月の機嫌が良くないのは何となくわかった。

「ねぇってば‼︎」

あたしがそう言っても未月は知らんぷり。
それなのにあたしが追いつけるようなスピードで歩いてくれているのが、怒るに怒れなくさせる。
未月とエレベーターに乗ると相変わらず未月は黙ったままだった。


「ちょっと!一緒に帰ろうって言ったの未月でしょ?それなのになんなの?さっきからずーっと黙ってさぁ!」

部屋に入るとあたしは迷わずそう言った。

「……うるせーな」

「はぁ?うるせーってなによ!」

あたしが言い返すと未月はあたしの腕を掴んだ。

「ちょっと!何すんの⁉︎」

あたしは負けじと未月をにらんだ。
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