俺様王子様
お互いにらみ合った。


「ぷっ」


しばらくしてそんなお互いの顔を見て吹き出してしまった。
なんとなく、未月の瞳を見てわかったから。
あたし程ではなくても、未月もちょっとは余裕なくしてたのかもしれないなって。

「なんかウケるね！あたしたち」

そう言って未月の顔を見上げた。
その時、あたしの心臓がドキンと音を立てた。
未月はいつものニセモノ王子様スマイルとは違う、優しい顔をして笑ったから。

「いつも、そんなふうに笑えばいいのに」

思わずそんな言葉が漏れた。

「あ！でもやっぱりヤダ‼︎他の人にはこの未月の顔見られたくない」

あたしはもうひとりの自分と話すかのようにまた言った。
でも、本当に自然にそう思った。
そんなあたしを見て、未月は声を出して笑った。
そしてその後あたしをふわっと抱きしめた。
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