俺様王子様
未月と手を繋いだまま、どこに向かってるのかわからないけど歩いた。
もうすっかり日が暮れて、空が暗くなっていく。

「こっち、暗いから足元気をつけろよ」

「うん」

もう少しで階段を登りきるというところで、

「朱莉、目つぶって」

と未月に言われた。

「やだ!怖い‼︎」

「俺が支えてるから大丈夫」

未月に言われて目を閉じた。
ゆっくり階段を上がって少し歩いた。
一体何があるんだろう。

「ねぇ、まだ?」

「もうちょい」

そう言われて未月に手を引かれる。
目を閉じているから何も見えなくて怖い。
すると未月は足を止めた。

「…いいよ、目開けて」

未月はそう言った。
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