俺様王子様
あたしはチラッと未月を見た。
相変わらず綺麗な横顔をしている。
すると未月もこっちを見た。
視線がぶつかると、ドキドキしてそらしたくなる。

「朱莉…」

未月の顔が近づく。
あたしは自然と目を閉じた。
未月のキスは熱くて、息が出来ない。
あたしが顔を離そうとしても、未月がまた引き寄せる。

「んっ。未月、苦し…っ」

「やべー。ガマンできない、かも」

あたしの目を見て未月は言う。
未月の目が潤んでて、色っぽい。
未月はそのまま唇を首筋に移した。
身体に電流が流れたみたいにビリビリする。

「やっ…!」

あたしがそう言うと未月は唇を離した。

「…悪りぃ」

未月はそう言って体を離した。

「寮に帰るか」

未月は立ち上がろうとした。

(違うっ…‼︎)

あたしは思わず未月の制服を掴んだ。
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