俺様王子様
「どーした?」

未月はちょっとだけ驚いてるようだ。

「やだ」

「わかってるって!だからもーしねぇよ」

「違うのっ!」

「違うってなんだよ」

未月の制服を掴む手に力が入る。

「ここじゃ、やだ…っ‼︎」

顔が熱くなる。

「え…?」

「この先をするのは怖いけど、未月とならいいよ…。でも、ここじゃイヤ」

あたしは勇気を振り絞って言った。

「ごめん」

「へっ?」

「朱莉にここまで言わせちゃって。…俺でいいの?」

あたしは精一杯頷いた。

「帰ったら、どうなるかわかんないよ?」

未月は耳元で囁いた。
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