俺様王子様
(やだっ‼︎あたし何考えてんだろ‼︎)

思わず未月の身体を思い出した自分が、なんだかエッチになったような気がした。
ほっぺたがボッと熱くなった。


「……何考えてんの?」


そんなあたしの心の中を見透かしたように未月が聞いた。

「べっ…別に何にも‼︎」

「ふ〜ん…?」

「なっ、何よ‼︎」

何か言いたげな未月のその表情が嬉しいような悔しいような、そんな感じがしてあたしは思わず強く言い返してしまう。

「朱莉がどうしてもしたいなら、俺はいいけど?」

ニヤリと笑う未月。

「ばかーっ!そんなわけないでしょっ!」

あたしは未月に枕を投げ付けた。
そんなあたしを見て声を出して笑う未月。
クラスでは絶対に見られない顔。
あたしだけが知ってるんだと思うとそれだけで嬉しかった。
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