俺様王子様
来るべきとき
だけど、幸せな日はそう長くは続かなかった。



「未月ーっ！会いたかった‼︎」



まだ授業中だというのに教室に入るなりそう叫んだ女の子。

「あ、緋音⁉︎」

その女の子を見るなり、未月はそう言った。

あたしの心臓がドクッと嫌な音を立てた。
未月がクラスのみんながいる前でこんなに動揺した姿を見せるのは初めてだったからだ。

「やっと会えたね！未月ーっ♪」

未月に抱きつく緋音という女の子。
この一瞬で未月とは昔からの知り合いなんだとすぐに分かった。

ぎゃーっとクラスの女子が悲鳴に近いような声を上げる。

「朱莉さん、彼女誰だか知ってる？」

席の近い女子に聞かれた。

「ううん、知らない…」

あたしはそう答えた。
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