俺様王子様
未月が学校に向かう前に急いで起きて、なるべく音を立てないように部屋を出た。
授業が始まるにはまだまだ早い。
あたしは中庭のベンチに腰を下ろした。


「いー天気だなー…」


空を見上げた。

「なんかさ」

突然後ろで声がする。

「ぎゃああ!」

あたしは思わず叫んだ。

「そんなに驚かなくても」

振り向いたら三咲くんだった。

「ごめん、誰もいないと思ってたから油断してた」

「そっか〜!俺、朝練あったから」

「あ、そうなんだ」

「大会近いからね!」

「まじで⁉︎頑張ってね!」

「おう!…ってゆーか桜村さん早いね!」

「うん…。なんか未月と顔合わせらんなくて」

そう言ってから、あたしと三咲くんは黙ってしまった。
あたしは、空高く飛んでいる飛行機を眺めた。
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