俺様王子様
「さっきも思ったんだけどさ〜…」

しばらくして三咲くんが言った。

「桜村さん、キレイになったね」

「えっ…えぇぇぇぇ⁉︎」

突然の発言に一気に顔が熱くなった。

「なんてゆーか、いきなり女っぽくなった!」

(それは未月と…)

と思ったら胸がちくんと痛んだ。

「びっくりするじゃん!いきなり…」

あたしはからかわれてると思ってそう返した。

「いきなりじゃないよ?」

「えっ…?」

「ずっと見てきたからね、桜村さんのこと」

三咲くんはふんわり微笑むと、あたしの頭をぽんとした。

「じゃ、またあとでね!」

三咲くんはそう言うと体育館の方へ走って行ってしまった。

なんだか胸がざわざわする。
三咲くんが触ったところがぽかぽかした。

< 92 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop