俺様王子様
並んで話す2人はとても自然で、未月も神藤さんに笑顔で応えていた。

(あたし、未月と付き合ってるのかな?好きってあたしは言ったけど、未月からは言われてないよね…)

それに、ドイツに行くことだってひとことも聞いてなかった。
というか、婚約者がいることさえ知らなかった。
全部他人から聞かされて、大事なことは何一つ未月の口から聞いてない。

(これって、彼女じゃないよね…)

そう思ったら、いきなり視界が歪んできた。
遠くなる意識と、クラスメイトの悲鳴がなんとなく聞こえた。
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