俺様王子様
「朱莉ちゃん!わたくし、イギリスに行く前にプロポーズの話を朱莉ちゃんから聞かれましたよね?」

意を決したように強く杏菜ちゃんは言った。

「うん、聞いた…」

「そのことを今日お話ししますわ。学校が終わったらわたくしの家に参りましょう」

杏菜ちゃんの強い瞳にあたしは断れなくて、うんと返事をした。

「あと、三咲様にもきちんとお礼をなさってね。ずっと心配なさってましたから。わたくし、先生に呼ばれていますので失礼しますわ」

と杏菜ちゃんは言って、保健室を後にした。

「あの、えっと…ありがとね、三咲くん」

「いいって!桜村さんのおかげで授業サボれてラッキー♪」

三咲くんは笑いながら窓を開けた。

「あ、これ!温くなっちゃったかもだけど」

と、三咲くんはイチゴミルクを袋から出して渡してくれた。
三咲くんの優しさが伝わって目が熱くなってしまった。
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