本当の居場所


陽人の後を追って、部屋へと入る。

ドアが閉まった瞬間、包まれた陽人の匂い。


「………へ?」


わけが分からず、止まった思考。

なに…これ?

あたしの少し上に陽人の顔があって

あたしの背中には陽人の腕が回ってて

全身に陽人の体温が伝わる。


「はる…と……?」


陽人の名前を呟くと


「抱きしめるって言ったじゃん」


いきなり振ってきた、陽人の言葉。

確かに言ったけどさ?

こんな………いきなり?




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