本当の居場所
話す陽人は、どこか嬉しそう。
「やっぱやりたいなって思って。なんだかんだ言って、俺バスケ好きだし!」
陽人は嬉しそうに笑った。
陽人がバスケを好きなのは、前から知ってた。
中庭で楽しそうに友達とバスケする姿を、あたしはずっと見てたから。
本当はずっと、バスケ部に入りたいのも知ってた。
だから陽人がバスケ部に入るといいことは、あたしも嬉しかった。
「だからこれから一緒に帰れなくなるかも」
少し申し訳なさそうに、陽人は言った。
そんなの、気にしなくていいのに。
陽人がバスケをやることが、嬉しいんだから。