本当の居場所


「なんでそんな機嫌悪いわけ?」


未だ陽人にしがみついたまま、光くんが聞いた。


「…お前と同じクラスだから」


いつもより低い陽人の声。

相当機嫌悪いな;;


「は? なんでだよ」

「だってお前、いっつも俺にくっついてくんだろが」

「うん? それが何?」

「…うぜぇ」


答えになってるようで、なってない陽人の言葉。

光くんは首を傾げながら顔を歪めてる。


「さゆ、行こ」

「え? あ、うんっ」


いきなりあたしの腕を引いて歩き出す陽人に、

戸惑いながらもついていく。

良かったのかな、光くん。




< 130 / 277 >

この作品をシェア

pagetop