本当の居場所
陽人は優しく微笑んでた。
あたしも自然に笑顔になった。
「今度の土日さ、家族みんないねぇんだけど、泊まりにこない? 俺も日曜、部活休みだし」
「え?」
泊まり?
ずっと陽人と一緒にいられるってこと?
「う、うんっ」
「じゃあ、決まりな」
そう言って陽人は、あたしの頭を撫でた。
時たまおでこに陽人の温もりが当たって、なんだか胸が苦しくなった。
やっぱり好きだ、この人が。
どんなに寂しくたって、あたしは陽人から離れられない。