本当の居場所
時計を見るともう6時。
今から作ればちょうどいい時間になるかな。
陽人にエプロンを借りて、キッチンに立つ。
「俺、お米洗う~♪」
ノリノリ気分で陽人がやってきた。
「陽人できんのー?」
「なめんな。俺にできねぇことはねぇから」
さっき料理できないって言ったくせに。
けど確かに陽人はお米洗うのが上手だった。
褒めると
『だって俺、よく手伝いでやってたから』
なんて言って笑った。
こうやって、陽人と一緒にキッチンにいるのが
なんだか新婚さんみたいで照れくさくなった。