本当の居場所
せっかくの誕生日なのに。
こんなことで喧嘩がしたいわけじゃない。
だけど。
「お前、何でそんなに気にしてんだよ? ただのクラスメイトだって」
「陽人にとってはそうでも、あっちにとったら違うんじゃないの」
「なんだよ、それっ」
あたしは陽人と視線を合わせずに、そっぽを向いて言った。
「あたしが彼女だって分かった時、すごい睨まれたもん。なんかバカにされた気がした」
「そんなわけねぇだろ? お前が気にしすぎなんだよ」
「違うよっ。陽人はあたしの立場じゃないから分かんないんだよ」
「ああ?」