本当の居場所
久しぶりに入る、陽人の部屋。
あたしは、扉の前で立ち止まった。
「さゆ? 座れば?」
「ううん、ここでいい。話があるの」
立ったまま、陽人を顔を見た。
目頭が熱くなって、涙が溢れそうになる。
まだ泣いちゃだめ。
まだ………
「あの時は、助けてくれてありがとう」
ちゃんとお礼を言ってなかったから。
「そんなの、彼女なんだから当たり前だし…」
戸惑いながら口を開く陽人。
「あたしのせいで、バスケやめることになって……ほんとごめん」