本当の居場所
「紗雪の温もり、久しぶりだ」
優矢が喋る度に、息が耳にかかる。
そんな些細なことでも、今のあたしは幸せ。
全身に伝わる優矢の温もりが、やけに心地よくて。
そんな温もりと、優矢の言葉で、思わず溶けてしまいそうになる。
離れるのが嫌になるくらい、愛しくてたまらない。
「紗雪、好きだよ」
「あたしも…好きだよ」
あたしたちは、更にきつく抱き合った。
この時の言葉に、何も偽りなんてなくて。
あたしは確かに優矢に恋をしてた。
たまらないぐらい、愛しかった。
けれど、あの時の想いが、あたしの中で蘇ることになった。