本当の居場所
15.揺れる心
そして、
あたしの怖がっていたものが現実となった。
「………さゆ…?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、
「はるっ………」
あたしをまっすぐに見つめる、陽人がいた。
あたしはそこから動けずに、陽人をじっと見つめていた。
優矢の握る手に、力が入ったのが分かった。
「あんた、俺の彼女に何か用?」
あたしの前にすっと出て、優矢が鋭い声を出す。
顔が見えないから分かんないけど、陽人の表情を見ると
優矢が睨んでるのが想像できる。