本当の居場所
どちらかと言うと
アクション物とか青春物が好きな優矢は
嫌がりながらも恋愛物につき合ってくれる。
そんな優矢の優しさも、あたしは大好きなんだ。
映画を観終えたあたしたちは
たくさんの人ごみの中を歩いて映画館を出た。
「超良かったぁ」
「こてっこてすぎだったんだけど」
満足なあたしの隣で、優矢はやや不機嫌そう。
同じように映画を観終えた人たちが、感想を言い合いながら歩いていた。
そんな中、あたしはよく前を見ていなくて。