本当の居場所
最後のお皿を洗い終え、あたしはカバンを取りに行った。
「じゃあ、帰るね」
「うん…ありがとう」
あたしは軽く微笑むと、玄関に向かって歩きだそうとした。
「…星野さん!」
その時、
突然の呼びかけに、あたしは振り返った。
そこには、顔を赤く染める彼がいた。
「あの、さ……」
何か言いたそうに、口を開く。
あたしは黙って彼を見つめていた。
「その……好き……なんだ、星野さんのこと」
「え……?」