本当の居場所
6.陽人の彼女
陽人と付き合い出してから、初めての朝がきた。
昨日の出来事が信じられなくて。
夢かと思ってしまうけど、
朝陽人からきたメールで、現実なんだと自然に笑みが出た。
「行ってきまーす」
いつも通りの時間に家を出た。
その瞬間、止まった足。
「おはよ」
だって目の前に
陽人がいたから。
「え…なんで…?」
「一緒に学校行こうと思ってさ。ん」
そう言って手を差し出す。
あたしはまだ理解のできていない頭のまま、
陽人の手に自分の手を重ねた。