幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「そういう意味じゃねえって……」
「じゃあ、どういう意味?」
「……他の男に見せたくねえって意味に決まってんだろ」
じっとこちらを見る総司の熱のこもった視線に、ぽっと頬が熱くなる。
「えへへ……あたしキレイ?」
照れ隠しに笑って、普段は絶対着ないような艶やかな着物の袖を広げる。
「俺にとってはな」
同じく照れ屋な総司はそれだけ言うと、そっとあたしを抱き寄せた。
「早く帰って来いよ。お前がいないと、布団の中が寒くて仕方がねえ」
「総司……」
土方副長は、山南先生と明里さんの様子を少し見て、大丈夫そうだったらすぐに帰ってきていいと言っていた。
『きっとすぐ帰れるよ』と言おうとした瞬間、総司がぼそりと耳元でつぶやいた。
「なあ……ちゃんと花代払ってるし、一回抱いていってもいいか」
……え。
うっ、ほわ、ぎゃあ!
「だ、ダメだよ、任務中だもん」