幕末オオカミ 第二部 京都血風編


「暇なんだろ?普段は落ち着いてできねえし……ここならいくら声出しても大丈夫だろ?」


「ばっ、ばか!アホ!」


やっぱり狼だこいつ!照れ屋で可愛いと思ったのなんか、一瞬だった。


大きな手が帯にかかり、唇が目前に迫る。


ど、どうしよう……総司、何かの留め金が外れちゃったみたい。


ドクドクと耳の裏の血管が鳴る音がする。


……と同時に、他の部屋からの男女の……最中の声も。


ってことは、ここでも他の人に聞こえるってことじゃん!


「ま、待って!あんた、いったい何しにきたの?何か用があったんじゃないの?」


「いや、非番だからお前の顔を見に……」


「それだけ?」


「ああ、だから楽にしろ」


できるかーっ!


抵抗しようと思った瞬間、ぐいと帯を引っ張られた。


着物が肩から滑り落ち、真紅の襦袢が丸見えになる。


抗議をしようと思った口は、牙を隠した総司の口に塞がれてしまった。


ほ、本当にこのまま……ここで?


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