幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「……なら、あきらめるしかないかな。
私には彼らを裏切ることはできないよ」
寂しそうに、それでも彼は笑っていた。
山南先生……。
「そっか。なら、ええわ。
今日もうちが楽しませてあげるだけやし」
そう言うなり、明里さんは優しい笑顔に戻る。
そして、自分の着物の帯を解き、あっという間に裸になってしまった。
「おっと……」
慌ててのぞき穴から顔を離すと、どさりと山南先生が押し倒されたのであろう音が聞こえてきた。
「ちょ、明里……」
こ、これ以上の長居は無用かな。
ああ、それにしても……。
「もう少し、ここにいなきゃいけなさそうじゃん……」
明里さんは、どうやってその薬屋と通じたのか。
幕府と敵対する勢力に加担しているのか、通じているだけか。
素性を調べてみる必要がありそうだ。