幕末オオカミ 第二部 京都血風編


その広い背中を抱きしめても、あたしたちの間には、埋められない隙間があるみたい。


前みたいにひとつになれない気がして、つらかった。


もっと、本当のことを言っていいんだよ。芹沢を粛清した時みたいに。


それを言ってくれないのは……

あんたが、あたしと出会ったことを……どこかで後悔しているから?




総司の肩越しに、涙でぼやけた桜の花びらが、まるで雪のように見えた。


降り注ぐ、冷たい悲しみ。


何より悲しいのは……誰より愛しいあんたの気持ちを、信じ切れなくなってしまったこと……。




あんたが悪いんじゃない。


弱いあたしが、悪いんだ。



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