幕末オオカミ 第二部 京都血風編
だから、きっと副長はもう、山南先生の死を乗り越えてしまったんだろうと思っていたけれど……やっぱり、そんなことなかったんだ。
「大丈夫。もう少ししたら、みんな落ち着くさ。
俺たちに泣いている暇はねえんだから」
総司はそう言って、あたしの肩を抱いた。
「そうだね……」
後悔してる暇はない。
自分を責めていたって、何も良くならない。
あたしを許して、まだここに置いておいてくれる人たちのためにも……できることを、しなきゃ。
山南先生の死後、ぱっと咲いた京の桜は、あっという間に青い葉だけを残し、地上に消えていった。
まるで、儚い武士の命のように。