幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「おーい、土方さん!何かあったのか?」
「斉藤から一大事だと伝令が来たが……」
遅れてきた永倉さんと原田さんが息を切らせながら、土方さんにつめよる。
土方さんが事情を説明すると、二人ともさっと顔色を変えた。
「総司……俺たちを信用してくれるなら、話してくれねえか」
土方さんに問われ、俺はみんなの顔を見渡す。
武士になる夢を見て、ここまで一緒にやってきた仲間たち。
山南さんはいなくなってしまったけれど、この人たちだけは失いたくない。
「実は……楓は特異体質で……」
俺はポツリポツリと、楓の血の秘密をみんなに話した。
池田屋で彼女に噛みつかなければ、一生知らなかったかもしれない秘密を……。