幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「……私はかつて、新撰組一番隊隊長を務めさせていただいておりました」
総司が自分からそう言うと、一橋公のこめかみに青筋が浮かび上がった。
「新撰組が何の用だ!」
「いいえ、今はもう私は新撰組隊士ではありません。私は……」
総司はちらっとこちらを見たけど、すぐに上様を見つめなおす。
隊士じゃないって、どういうこと?
総司の考えていることがさっぱりわからなくて、胸がどくどくと音を立てる。
「私は、人と狼の間に産まれしもののけの頭領。
この狼たちも、外のもののけたちも、すべて私個人の軍隊です」
「な……っ!」
なんだって!?
それって、銀月さんの申し出を受けて、狼や山や森のもののけたちの頭領になったってこと?
驚きのあまり声が出なかった。
周りを見ると、近藤先生も松本さんも一橋公も、ぽかんと呆気にとられたような顔をしていた。
「この目で見たのだ。お前が人狼だということは認めるしかないな。
その元新撰組の人狼が、余に何の用だ」
上様だけが、凛とした瞳で総司を見つめなおす。
口をはさめるような雰囲気でもなくて、あたしはヒヤヒヤしながら成り行きを見守るしかできない。
総司が自分からそう言うと、一橋公のこめかみに青筋が浮かび上がった。
「新撰組が何の用だ!」
「いいえ、今はもう私は新撰組隊士ではありません。私は……」
総司はちらっとこちらを見たけど、すぐに上様を見つめなおす。
隊士じゃないって、どういうこと?
総司の考えていることがさっぱりわからなくて、胸がどくどくと音を立てる。
「私は、人と狼の間に産まれしもののけの頭領。
この狼たちも、外のもののけたちも、すべて私個人の軍隊です」
「な……っ!」
なんだって!?
それって、銀月さんの申し出を受けて、狼や山や森のもののけたちの頭領になったってこと?
驚きのあまり声が出なかった。
周りを見ると、近藤先生も松本さんも一橋公も、ぽかんと呆気にとられたような顔をしていた。
「この目で見たのだ。お前が人狼だということは認めるしかないな。
その元新撰組の人狼が、余に何の用だ」
上様だけが、凛とした瞳で総司を見つめなおす。
口をはさめるような雰囲気でもなくて、あたしはヒヤヒヤしながら成り行きを見守るしかできない。