幕末オオカミ 第二部 京都血風編


「けど、上様が新撰組に残れって言ってくれてよかったよね。

あれであのでっかい狼も、仕方なく帰っていったし」


平助くんが胸をなでおろす。


銀月さんは、今すぐに総司に狼の群れに戻ってもらうことは不可能と判断し、一旦帰っていった。


幕府と新撰組、そしてもののけ軍が協定を結んだことで、焦ることもないと思ったんだろう。


「結局今は、銀月がもののけたちをまとめているんだろう?

総司が狼となって帰る必要もない気がするんだけどな」


原田先生が言う。


「……もののけも、人と一緒で、血筋が一番大事なんだそうですよ。

将軍家と一緒で、違う血筋の者が一番上になることには抵抗があるそうです」


総司が淡々と説明すると、みんななんとなく納得したようだった。


「とにかく、総司も戦になるまでは新撰組に残留することが決まった。

みんな、今まで以上に隊務に励んでくれ!」


近藤局長の言葉でその場はまとまり、解散となった。



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