幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「それでも完全にもののけじゃないだけ、いいんじゃない?
新撰組として幕府のために戦ってきた実績も買われたんだよ、きっと」
羽織を着た総司は、「慰めてくれてありがとうよ」とため息交じりに言った。
その姿は、まるでどこかのお大尽のよう。
見とれていると、総司があたしの男装につっこむ。
「お前の着物は上様の御下がりかな。まるで七五三だ」
男の子の七五三は五歳でお祝いするから……あたし五歳児?ってこら!!
「うるさい!さ、みんなに見つからないように行くよ!」
今回のことは、もちろん幹部以外の隊士にはヒミツ。
あたしたちはこそこそと屯所から出て、二条城へと向かった。