幕末オオカミ 第二部 京都血風編


注文したお団子を食べながら、少しほっとする。


坂本を暗殺したのは斉藤先生じゃなかったんだ。


「そういえば、先生はどうして……」


御陵衛士から抜けてしまったんだろう?


それを聞こうとして少しだけ後ろを向くと、斉藤先生は既に立ち上がっていた。


「またすぐに会える。今は危険だ。これで失礼する」

「えっ、あっ、ちょ……」


斉藤先生はお茶代を払うと、すたすたと早足でその場を去ってしまった。


「しょうがないか……」


斉藤先生は彼なりに何か事情があるんだろう。


腰を浮かしかけたあたしは座り直し、お団子を口の中に詰め込むと、お茶でそれを流し込み、急いで屯所へと戻った。



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