幕末オオカミ 第二部 京都血風編
少し乱暴だったそれは、徐々に優しくなる。
力が抜けていくあたしの唇を包み、忍び込むと、舌を絡ませた。
「は、ぁ、総司……」
唇が離れた途端、非難の声が漏れる。
「こんなじんゃ、足りないよ……」
血の代わりに唾液が体内に入るかもしれないけど、そんな極少量で効くのか怪しい。
そういう意味で言ったのに、総司は変な風に解釈してしまったみたい。
「そうかそうか、よし、気分が良くなったことだし、久しぶりに可愛がってやるか」
からかうように笑いながら、あたしの帯に手をかけようとする。
「ちょ、違うし!」
「何がだよ」
「ダメ!おとなしく血を飲むまで、おさわり禁止!」
べしっとおでこを叩いてやると、総司は諦めたようにため息をつく。
「なんだよそれ……そんなこと言われたら、飲むしかねえじゃねえか」
総司は起き上がって頭をかく。
あたしもその布団から起きて、彼の前に座った。