幕末オオカミ 第二部 京都血風編
血風が吹き荒れる京の街で、あたしたちはまだ生きている。
どんなにこの手が血で汚れようとも、決して汚されないものを、あたしたちは持っている。
他人が見たら、ばかばかしいと思うかもしれない。
けれど、総司だけは……あなただけは、笑って言ってくれるはずだから。
この仲間との絆こそが、あたしたちの宝物なのだと。
あなたがいれば、あたしは強く前を向いて生きていける。
総司と握った手は、宴会が終わるまで、離れることはなかった。
あたしたちは時々顔を見合わせながら、笑っている仲間の姿を見つめていた。
この幸せな時を胸に焼き付けて、絶対に忘れないように。
【第二部 完】