幕末オオカミ 第二部 京都血風編
そうして、幕軍と敵を挟み撃ちにした新撰組は、ほどなくして勝利をおさめた。
「あまり活躍できなかったなあ……」
副長助勤たちの働きがすごすぎて、副長同様、あたしに見せ場はなかった。
これからどうしようと思っていると、山崎監察が駆け寄ってきた。
「楓くん、ご苦労やった。
他の御門も、味方が守り切ったらしいわ。
ここでの戦いは、ほとんど終わりやな」
監察によると、他に攻撃された蛤御門も、会津軍と、加勢した薩摩藩が死守したらしい。
「楓、無事だったか」
「総司!」
裏から声をかけてきた総司について、一番隊の面々がぞろぞろとついてくる。
その後ろを見ると、幹部が全員無事で、それぞれの隊を率いていた。
良かった、みんな無事だ……。
ほっとしたところに、副長の怒鳴り声が聞こえた。
「他の者は俺に続け!
たった今から、残党狩りを行う!」