幕末オオカミ 第二部 京都血風編


そうして、幕軍と敵を挟み撃ちにした新撰組は、ほどなくして勝利をおさめた。


「あまり活躍できなかったなあ……」


副長助勤たちの働きがすごすぎて、副長同様、あたしに見せ場はなかった。


これからどうしようと思っていると、山崎監察が駆け寄ってきた。


「楓くん、ご苦労やった。

他の御門も、味方が守り切ったらしいわ。

ここでの戦いは、ほとんど終わりやな」


監察によると、他に攻撃された蛤御門も、会津軍と、加勢した薩摩藩が死守したらしい。


「楓、無事だったか」

「総司!」


裏から声をかけてきた総司について、一番隊の面々がぞろぞろとついてくる。


その後ろを見ると、幹部が全員無事で、それぞれの隊を率いていた。


良かった、みんな無事だ……。


ほっとしたところに、副長の怒鳴り声が聞こえた。



「他の者は俺に続け!
たった今から、残党狩りを行う!」


< 47 / 404 >

この作品をシェア

pagetop