幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「なんであたしが留守番組なの?
戦闘はムリでも、伝令役くらいできるのに~!」
バタバタと手足をふりまわすと、総司に止められた。
「しょうがねえだろ、局長がまだムリすんなって言ってんだから」
「それはそうだけど……」
二人きりの副長助勤室で、頬を思い切りふくらませる。
やっと、総司と本当の恋仲になれたと思ったら、すぐに離れ離れだなんて。
それに、手柄を立てたいわけじゃないけど、新撰組の一員として、同志とともに戦いたい気持ちも大いにあるのに。
「……すまねえな。俺のせいで」
総司はあたしの手をにぎり、静かに謝る。
「そんな、別に責めてるわけじゃないよ。
そりゃあ、この傷はあんたに噛みつかれてできたのだし、ふさがりかけていたものが開いたのは、あんたが遠慮なく動いたからだけど」
「……思い切り、責めてるじゃねえか」
「あ、ごめん。つい本音が」
少しへこんでいたような総司の顔をのぞきこむ。
目と目があうと、同時にふきだした。