幕末オオカミ 第二部 京都血風編
「……まだ慣れないのか」
総司とはたまに、恋人らしいこともするけれど……
「な、慣れないよ……」
いまだに、触れられるとドキドキしてしまう。
「俺はこうしてるときが、一番落ち着く」
総司は胸から手を離し、ぎゅっとあたしを抱きしめた。
「今年こそ、一緒に桜を見ような」
「花火も、見られるといいね」
「ああ……」
今年も、来年も、その先も。
いつ散ってしまうかわからない命だけれど、一日でも長く一緒にいられますように。
暗い部屋の布団の中、総司はそっとあたしに口づけた。