キミトワタシ
「ねえ遼君。」


「・・・ん?」


「遼君は好きな人いるの?」


「えっ。さ、さぁ?」


「いるんだ!」


「さぁね。」


「なによぉっ教えてくれたってイイデショッ」


「っ・・・。わかったよ。教える。 いるよ。好きな人」


「ぇえっ!?誰!?」


「それは秘密。いいだろ、好きな人いるって答えたんだから。」


「何よそれぇっ・・・。もぉっ。」


 このときワタシは、遼君の好きな人が私であったらいいのにな・・・。と思ってしまった。


こんなことおもったのハジメテだ。


でも、絶対それはない。だって、ワタシと遼君はまだ知り合っただかり。


それなのに、好きになるなんて、ありえない。うん。絶対に。


 初めてのコイは、なんかうまくいきそうもないだろう。


・・・コイなんだから当たり前か。


ハツコイだってなんだって、うまくいかないのは当然のことか。


 そう思いながら、歩いていた。


「遼君の事・・・。諦めようかな・・・。」


「俺がどうしたの?」


「えっ!遼君!?あっえっとおはよっ!」


「はよ。ねえ、俺が何?」


「なっなんでもないよっ!気にしないでねっ!」


「そっか。じゃあ行こうぜ。」


「え!?ドコに!?」


「ドコにって・・・。普通に考えて学校だろ。」


「あ。。。そっか。」
 

 カァッ。。


 ワタシは顔が真っ赤になった。


 すると遼君は。

 
 クシャッ


「ふぇ・・・?」


 また、顔を赤くしながら、ワタシの頭をなでてくれた。


 こんなに嬉しく思うことは、今までに一回もない。


コイをしたら、こんなことを思うこともあるんだ。

やっぱり、諦めるなんて間違ってたかも。頑張ろう!




< 5 / 108 >

この作品をシェア

pagetop