きみにこい





まぁでも、噂話とか嫌いらしいし人の悩みとかを聞いても絶対に面白おかしく人に喋る奴じゃないってのは分かる。



「率直に言うけどさ、あたしってあんまり魅力ない?なんていうか女としての」


「お前自分に魅力あると思ってんの?すげぇな」


一瞬ヤツの頬にビンタかましたくなったけどそれをグッと堪えて「黙れうんこ」って言った。



「冗談だよボケ。あるんじゃねぇの?お前一応口悪いしガサツっぽいけど明るいし、…優しい気もするしな」


「最後のテキトーでしょ」


女子にガサツって。まぁ認めるけどさ。
って。本当はそれ聞きたいんじゃなくて。



「まぁ、その話はこれで終わりとして」



「あ、じゃあもう戻ってもいーか?」



そう言って立ち上がった朝比奈のシャツを有無言わさず引っ張る。一瞬溜め息まじりにまた座った朝比奈に縋るような気持ちで問い掛ける。



「あのさぁ、好きな人を5年以上も追い掛けてたら重いかな?鬱陶しい?」



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