きみにこい
交わらない想い
とある美術の時間。教科書の片隅にあった雪景色の写真を見て思った。
「今年の冬も雪合戦したいよよし子ちゃん」
「良佳はスキーに行きたい」
「おっ、ノリ良いじゃんよし子。あたしも行きたい。てか行こう!」
言ったのと同時に隣の席の朝比奈の机をバシッと叩く。軽く睨まれた。
「朝比奈!あんたも行こうよ!誰か誘って大勢でワイワイ行こう!」
「元気だなお前。こんなクソ寒いのに」
「寒いから体動かすんでしょ!まぁあんたが来るのは絶対だかんね、暇そうだし」
「柚子、寒いの苦手なクセに良く言うよね」
「本当だよな。馬鹿女。しかも俺バイトと彼女で忙しいし」
鼻で笑ってあたしを見下したように笑った朝比奈の視線。「暇なのはお前だろ」みたいな目しやがってばか野郎。その通りだよばーか。