きみにこい
「…連絡しなかったのは携帯が壊れてっからだよ、んでお袋に伝えといてって言われたから直接会いに来たんだけど」
手を掴まれたまま、あたしのブサイクな泣き顔を祐真の目の前で晒したままで落ち着いた声で祐真は言った。
「…んで?何で泣いてんだよ?」
「…授業始まるよ…」
「こんなブスな泣き顔俺の前で晒しといて話逸らそうとすんのかよ」
「隠してたのを祐真が無理矢理見たんじゃん!ブスブス言うなばか!」
そう言って祐真を睨み上げると自分の顔がもっとブサイクになった気がした。
「…なんで睨むんだよ。なんで泣いてんだよ言うまでこの手離さねぇからな」
ズキュン、ってこんな時に胸がキュンキュン締め付けられた。やっぱあたしってアホでしかないのかもしれない。